英語を勉強していくうちにシャドーイングという言葉を耳にすると思います。シャドーイングとは、文章を見ずに音声のすぐ後を追いかけて音読することです。
音声を聞くと同時に文章を認識する必要があるので難易度が高い学習方法です。普段の学習に取り入れることでリスニングとスピーキング能力の向上が期待できます。
最近では、音声付きの英語アプリが色々とありますから、それを活用するのも良いでしょう。そこで今回は、シャドーイングの正しいやり方とシャドーイングに適したアプリを紹介していきたいと思います。
シャドーイングの正しいやり方は?
シャドーイングの練習は、正しい順序で行うことが大切です。ここでは次の7つの手順に沿って順番に説明していきます。
- 教材を準備する
- 文章の内容を理解する
- リスニング
- 音読する
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
1. 教材を準備する
まずは、シャドーイングで使用する教材を準備しましょう。自分のレベルに合わせたものを使うと良いと思います。
2. 文章の内容を理解する
教材の準備ができたら、文章の構造、意味、発音を確認して分からない所をなくしましょう。ここをおろそかにしてしまうと音読が『棒読み』になってしまい
効果をうまく実感できませんのでしっかりチェックしてくださいね。
3. リスニング
文章の内容が頭に入ったら、音声を聴いてみましょう。音声に合わせて英文を目で追い、文章の和訳が頭に浮かんでくるかどうかを確認します。同時に、難しいと感じる発音の単語があれば下線を引くなどしてチェックしておきます。
4. 音読する
音声をひと通り聴き終わったら、実際に音読してみましょう。ここでは、まだ完璧に発音する必要はありません。下線を引いた部分に意識して自分のペースで最初から最後まで1度読んでみます。
5. リピーティング
次に、音声を一文ずつ流してそれを真似して音読します。
音声を一文流す→真似して音読する→音声を一文流す→真似して音読する
これを最後まで繰り返します。曖昧な部分があれば、何度も繰り返して、正しく発音できるようにします。
6. オーバーラッピング
次に、文章を見ながら音声のスピードに合わせて音読します。これをオーバーラッピングと呼びます。最後までスラスラと読めたら、合格と言って良いでしょう。
7. シャドーイング
ここまでくると、使っている教材の文章は、ほぼ理解できています。教材を閉じて、シャドーイングに挑戦してみましょう。音声のすぐ後を追う形で音読していきます。
- 発音が綺麗にできているか
- 文章の内容が理解できているか
を確認しながら、読み進めていきます。自分の発音をチェックするには、音声レコーダーを使って録音するとわかりやすいです。慣れてきたら、音声のスピードを『1.1倍→1.2倍→1.3倍…』と上げながら練習していきます。
このように順序良く行うことで、シャドーイングが正しくできるようになります。
シャドーイングに適したアプリはどのアプリ?
シャドーイング練習に最適の英語アプリを紹介していきます。
1. TED
英語学習者であれば一度は目にしたことがあるでしょう。様々なトピックの
プレゼンテーションを英語で楽しむことができます。動画と一緒に日本語訳や
英語のスクリプトを確認できます。お気に入りの動画をブックマークすることもできるので、とても便利です。
日本語訳やスクリプトを一気に見たい時、単語をすぐに調べたい時は『TED Audio Books』もダウンロードしておくと良いでしょう。
タップ1つで、和訳、スクリプト、単語を確認できます。
2. English Upgrader
日本のTOEIC運営団体が提供するアプリ。
ビジネスや日常などさまざまなシチュエーションで使われる英語を学習することができます。ひとつひとつのトピックが長すぎず音声の再生、停止が簡単にできるのでシャドーイングにとても適しています。
スクリプトや日本語訳、気になるフレーズも確認できます。
まとめ
以上今回は、シャドーイングの正しいやり方とシャドーイングに適したアプリを
紹介しました。
シャドーイングの正しいやり方
- 教材を準備する
- 文章の内容を理解する
- リスニング
- 音読する
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
シャドーイングに適したアプリ
- TED
- English Upgrader
多くの文章に中途半端に取り組むより、1つの文章を徹底的にやりこむ方が、シャドーイングには効果的です。
ここで紹介した方法を参考にして、あなたの英語力にさらに磨きをかけてください。
専門家からのコメント
内田綾子(Ayako Uchida)
『経歴』
- 上智大学文学部英文学科卒業
- サンフランシスコ州立大学大学院卒業(TESOL修士号取得)
- ウーロンゴン大学大学院教育学部博士課程進学
- 上智大学、横浜国立大学、白百合女子大学の元非常勤講師
『保有資格』TOEIC Listening & Reading Test 965 point
<コメント>
シャドーイングは、英語力アップにとても効果的な学習方法です。
記事に書かれているように、実際は英文の意味を理解して、音読練習。その後、音声を聞き英文を見ながら発話練習(リピーティング)。この段階で、口が回らなくなってしまう人もいるでしょう。そこを何度も練習してから、最後にシャドーイングの練習にたどり着くころには、その英文の理解度はかなり上がっています。
そして最後にシャドーイング練習を行い、発音まで含めて完ぺきに真似できるようにしていくわけですが、この学習法はものすごく疲れます。集中して発話する、を何度も繰り返しているので、真剣に行うとそう長い時間できるものではありません。ですので、短時間で何度も繰り返すことを意識して行うと良いですね。
また、教材にはあまり長いものを選ばないようにしましょう。特に初心者の場合は、2~3センテンスから始めれば十分です。英語力が上がってきたら、徐々に長い英文に挑戦していくことをおすすめします。
長谷川 弥生(Yayoi Hasegawa)
【保有資格】
【経歴】
- 2019年7月〜2020年1月 シンガポール空間デザイン会社 インターンシップ(ホームページ内のコンテンツとしてWeb集客を目的にした記事作成(WordPress)、空間設計の現場で中国語通訳)
- 2021年 外国語大学 中国語学科 卒業(アルバイト経験有り(ホテルスタッフ1年、アパレル販売1年、iPhone・アンドロイド販売2年))
- 2021年2月〜現在(バリスタ(兼中国語通訳)をしながら勤務時間外にランサーズで活動)
<コメント>
「英語を上達させるのに一番効果のある勉強法は?」と聞かれたら、絶対にシャドーイングと思います。事実、シャドーイングのおかげでTOEICのスコアを450点→800点にあげられました。
その際一番重要なのは、記事内にある通り教材選びだと考えます。なぜなら、教材のレベルがご自身に合っていなければ結果は2択で、難しすぎてモチベーションが下がるか、簡単すぎてモチベーションが上がらないからです。
私の経験が参考になれば幸いですが、TOEICスコアが450点だった時に使用した教材は中学レベルの英語でした。正しく言うと、英会話イーオンに通っていた頃の教材が中学レベルの教材でした。英会話に通い始めたのは高校3年生の受験勉強が終わったあとで、一番英語ができる時期でした。それでさえ、スピーキングレベルは中学レベルでした。
TOEIC満点の先生にマンツーマンレッスンしてもらっていましたが、その先生から言われて衝撃だったのは、「中学レベルのスピーキングができるようになれば、TOEIC800点は取れるよ」という言葉です。まさかと思ってあまり信じませんでした。当時、週1回のレッスンで、こちらの記事と同じ流れでオーバーラッピングとシャドーイングの課題があったのでなんとなくこなしていました。
そうしてイーオンに通い始めて約2ヶ月たった時に、前より話せることに気がつきました。それだけではなく、聞き取りも簡単になっていたのです。自分が話せるということは、多くの単語を知っているということで、その単語が聞こえてきたらその意味がわかるということです。つまり、シャドーイングがリスニングレベルの向上にもつながったのです。
副次的な効果のおかげで、TOEICのリスニングスコアが一気に上がり、800点を取ることができました。
話せるようになるだけではなく、聞き取りもうまくできるようになれば、ネイティブとの会話が弾んで楽しくなりました。この体験は多くの人に味わってほしいです。それだけシャドーイングには強い力宿っていると考えます。
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